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12.21.2017

日本という国の異常さ

これは、日刊ベリタ紙に2017.12.21に投稿されたものである。

日本という国の異常さ

日本という国の異常さが、この年2017年ほど世界の人々の目に明白に映るようになった年はなかった。
 一番の問題は、「核兵器禁止条約」に賛成しないどころか、その議論にも参加しなかったこと。一方では、原爆の影響を受けた被爆者が、この条約の成立にかなり貢献したが。なぜなのか、誰の目にも、日本人がアメリカという国 が核の傘によって安全を守ってくれているという思い込み(ばかりではないが)に基づく、アメリカへの忖度であることは明白。しかし、日本こそ、世界中で唯一原爆の被害を経験した国であり、核兵器禁止条約を率先して作り、禁止への動きを先導する責任があると主張できるはず。これをしない日本は、世界中から蔑まれるであろう。いやそうされている。
 核のもう一方の問題、すなわち福島原発事故。あれから7年になろうとしているのに、事故の処理の見通しすら立っていない。それは、人類の経験したことのない大事故であることが最大の理由であるが、その解決の見通しもないままに、他の原発を再稼働するのにやっきになっている。しかも、原発稼働ゼロの状態が2年ほど続いたことがあったが、その間、電力不足はなかった。これは、原発からの電力は日本では、必要ないということを意味する。それなのに、再稼働を急いでいる。再稼働するための審査のいい加減さもかなり深刻である。日本のような狭い国土では、事故が起った時の安全な避難ルートなどあり得ない。それなのに、なぜ。狂気のさたである。政府その他の権力機構が、原発の製造・運営企業に支配されているからであろう。ここでも日本は、頭の切り替えができていない。原発廃炉は、これからの人類の必須の作業である。その技術を開発し、廃炉を促進するべき地位にあるはずであるし、ビジネスチャンスはある.
 ドイツ、イタリア、スイス、台湾、韓国などなどの国では、脱原発の施策をすでに打ち出しているし、電力不足を補おうと原発建設を急いでいた中国も原発新設を見合わせている。中国は、再生可能エネルギー源の開発に力を入れ始めた。日本はこの面では、世界中でもっとも遅れた部類に入る。人類文明の進歩に大変遅れをとっているのに、そうした意識が希薄なようである。
 日本の技術は、ここ数十年、世界中で称賛され、信頼を勝ち得てきていた。しかし、今年になって、様々な企業、特に基幹産業で、検査の誤摩化しなどが見つかり、そのでたらめさが、世界中に知れ渡ってしまった。神戸製鋼の製品を使用した原発の安全性などが、特に懸念される。
 こんな状況でも、原発製造業を維持すべく、政府・企業は、輸出に懸命である。そのうえ、例えば,イギリスで建設中(日立)の原子炉で事故が生じたら、日本が責任を負うなどという馬鹿げた約束をしてまで、輸出したがっている。もう、原発は、過去の産業になっていることに、気がついていない。
 以上の様々な事象は、日本企業、おそらくその経営者達の先見性のなさに基本的な問題がある(例えば、東芝の失態など)。日本政府および日本国民全体のそれも、そうした現象を引き起こす土壌になってもいるのであろう。
 北朝鮮問題では、政権側は、アメリカぴったりで、武力衝突も辞さないといった姿勢をとっている。武力衝突などが起きたら、沖縄も日本本土も大変な事態になりかねないのは明らかなのに、国連、中国、ロシアなどが主導する対話による解決に寄り添う姿勢もない.あまりにもアメリカ追従がすぎる。こんな国は世界に日本だけである。

 日本国の異常さは、まだまだあるが、政治家達の時代錯誤的意識もさることながら、日本国民の多くが、自分達、国、世界などへ目を開いていないのかもしれない。

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